日本と中国は22日、6年ぶりにハイレベル経済対話を開催する。貿易を巡り米国からの圧力が高まる中、両国間の緊張緩和を目指す。
中国は日本にとって最大の貿易相手国だが、両国は領土問題をはじめ、東京電力福島第一原発の処理水放出を受けて中国が日本産水産物の輸入を禁止したことなどを巡り対立が続いている。
調査では、中国に進出している日本企業は、地政学的な緊張の高まりや両国関係の悪化、中国企業との競争激化を背景に、同国での事業展開についてより悲観的になっていることが示されている。ただ、市場規模や地理的な近さを踏まえると、中国との安定した関係は日本にとって利益となる。
一方、米国による追加関税に直面する中国は、主要貿易相手国との安定した関係の構築に向けて動いている。トランプ米大統領は4月2日にさらなる関税措置を発表する見通し。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の石黒憲彦理事長は、日本の大企業は中国から今なお利益を得ており、「中国を捨てるといった選択は日本にはない」と指摘した。
日本の外務省によると、経済対話では中国での日本企業のビジネス環境改善に加え、処理水問題も議題に上る可能性が高い。
岩屋毅外相は18日の記者会見で、中国との経済対話に関し、日本産水産物の輸入規制などを挙げ、「課題と懸案を一つずつ減らし、協力と連携を増やす。そういう考え方に基づいて共に取り組んでいく機会にしたい」と述べた。
経済対話が行われる同日には、日中韓の3カ国外相会談も東京都内で開催される。岩屋外相のほか、中国の王毅外相と韓国の趙兌烈外相が出席する予定。
外務省は、中国が経済対話の場で米国の関税問題を取り上げた場合は、日本も対応するが、関税に対して日中が連携して動く可能性は低いとの見方を示した。
日中韓3カ国協議については、協力分野や地域問題が焦点で、特に北朝鮮問題に重点を置く見通し。米国の関税は議題に含まれていないものの、取り上げられる可能性はあるという。
ここ数年の日中韓協力では、人的交流の促進や環境問題への取り組み、高齢化社会への対応などに重点が置かれている。
原題:Japan, China Set for Economic Talks As US Tariff Pressure Rises(抜粋)
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