子どもの結核感染、欧州地域で10%増 WHOが対策訴え

 3月24日、世界保健機関(WHO)は、欧州地域で2023年に子どもの結核感染が10%増加したと発表した。写真はWHOのロゴ。スイスのジュネーブで1月撮影(2025 ロイター/Denis Balibouse)

[24日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は24日、欧州地域で2023年に子どもの結核感染が10%増加したと発表した。感染は継続しており、直ちに拡大抑制の公衆衛生対策を講じる必要があるという。

欧州と中央アジアの53カ国を含むWHO欧州地域では、23年に15歳未満の子どもの結核感染が7500件余り報告され、前年から650件以上増加した。

WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は「子どもの結核感染が懸念すべきほど増加しているという事態は、予防も治療も可能なこの疾病に対する対策の進展がなお脆弱なことをあらためて突きつけている」と述べた。

WHO欧州地域の結核顧問はインタビューで、感染確認の増加は診断が奏功している可能性がある一方、この地域で最も感染が多いロシアとウクライナの戦争に伴い国境を越えた移動が増えた結果である可能性もあると指摘した。

WHOと欧州疾病予防管理センター(ECDC)の共同報告によると、欧州連合(EU)における結核症例全体の4.3%を15歳未満の子どもが占めている。

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