米半導体大手クアルコムはソフトバンクグループ傘下の英アーム・ホールディングスについて、反競争的な行為に従事しているとして、米連邦取引委員会(FTC)や欧州連合(EU)行政執行機関の欧州委員会、韓国公正取引委員会に苦情を申し立てた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  それによれば、クアルコムは各国・地域の当局との非公開の会合や届け出などで、過去20年余りにわたりオープンネットワークを運営していたアームが、同社テクノロジーへのアクセスを制限することで、競争を阻害していると主張している。

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クアルコムのクリスティアーノ・アモン最高経営責任者(CEO)

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  スマートフォン向けプロセッサー生産で世界最大手のクアルコムは、アームの最大顧客の1社で長年のパートナー企業だが、両社はコンピューティング半導体市場で有利な立場を得ようと対立を深めている。

  クアルコムの広報担当者のほか、FTCと欧州委および韓国公取委の報道官はコメントを控えた。

  アームは電子メールで配布した声明で、自社の正しさが証明されると自信を表明。「技術革新の強化、競争の促進、契約上の権利・義務の尊重に引き続き注力する」とした。

  その上で、「非競争的行為のいかなる主張も、本質から目をそらし、当事者間で現在進行中の商業的紛争を自社の競争上の利益のために拡大しようとするクアルコムによる必死の試み以外の何ものでもないと」とコメントした。

原題:Qualcomm Takes Legal Fight With Arm to Global Antitrust Agencies(抜粋)

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