ドイツのソフトウエア大手SAPは、デンマークの医薬品大手ノボノルディスクを抜き、時価総額で欧州最大の上場企業となった。
クラウドベースのソフトを巡って投資家の楽観的な見方が広がっており、その追い風を受けるSAPの株価は24日に1.6%上昇。時価総額は約3140億ユーロ(約51兆円)に達した。一方、ノボは肥満症の次世代薬「カグリセマ」の治験結果が期待に届かず、株価は年初来で16%下落している。
SAPの株価はここ1年で42%上昇。顧客が従来のオンサイトサーバーからクラウド上のITインフラへと軸足を移す動きを加速させていることが要因だ。こうしたプロセスにより、同社は人工知能(AI)機能をまとめた収益性の高い製品を販売できるようになり、売上高の伸びを後押ししている。
アナリスト予想平均では、SAPの今年の売上高は12%増と見込まれている。実際にそうなれば、過去10年で最も高い年間の増収率となる。昨年1月に発表したリストラ策によって、営業利益はさらに加速する見通しだ。
原題:SAP Topples Novo to Become Europe’s Most-Valuable Listed Company(抜粋)
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