メキシコの国営石油会社ペメックスは、トランプ米大統領の関税発動を受けて、アジアや欧州に原油を輸出するため、潜在的な顧客と協議を進めている。メキシコ政府高官が匿名を条件に明らかにした。写真はペメックスの製油所。メキシコのパライソ、ドス・ボカスで昨年6月撮影(2025年 ロイター/Luis Manuel Lopez)
[メキシコ市 6日 ロイター] – メキシコの国営石油会社ペメックスは、トランプ米大統領の関税発動を受けて、アジアや欧州に原油を輸出するため、潜在的な顧客と協議を進めている。メキシコ政府高官が匿名を条件に明らかにした。
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ペメックスは昨年、日量80万6000バレルの原油を輸出。調査会社ケプラーによると、欧州のほか、インド、韓国などアジア諸国にも一部の原油を輸出している。
メキシコ政府高官は、ペメックスが米国以外の新たな潜在顧客と協議を進めていると発言。「朗報は欧州、インド、アジアでメキシコ産原油の需要があるということだ」とし、中国の潜在顧客も「強い関心」を示していると述べた。
ペメックスのトレーディング部門関係者は、輸送コストがかかるものの、中国、インド、韓国、日本もペメックスにとって適切な市場だとし、現地の製油所のタイプを踏まえると、米国に輸出できない原油を輸入できるのは「アジアだけだ」との認識を示した。
また、市場ではペメックスが米国向けに原油を値引きするのではないかとの観測が浮上していたが、メキシコ政府高官は、そうした譲歩を行う可能性はないと否定。米国の顧客との契約が今月切れれば、アジアや欧州に原油が輸出される可能性が高いとの見方を示した。
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