欧州連合(EU)は米アップルとメタ・プラットフォームズに対し、デジタル市場法(DMA)に基づく制裁金を来週後半にも科す。アップルは定期的な制裁金支払いを求められる可能性もある。
事情に詳しい関係者によると、制裁金は、過去のEU競争法(独占禁止法)違反に対するものと比較すると、今回は控えめな額になる可能性が高い。トランプ米大統領が、米国のテック大手に対する制裁金を「不均衡」だとして、重い関税で報復するとしていることから、EUには米国との緊張激化を回避するねらいがあるとみられる。
リベラ欧州委員(競争政策担当)は最近、報復を恐れて米テック企業への対応を避けることはないと述べた。だが、トランプ氏は4月2日、「相互関税」を幅広く導入する予定とされており、その中にはテック規制も含まれる可能性がある。
今回の制裁金は高額にはならない見通しだが、特にアップルは、より広範かつ反復的なリスクに直面する可能性がある。機密事項だとして匿名を条件に語った情報筋によると、アップルには、制裁金のいわゆる「定期的な」支払いが科せられる可能性が高いという。
DMAでは、制裁金は年間世界総収益の最大10%までとしている。だが、規則の順守させるため、1日当たりの世界売上高平均の5%を上限に、定期的に制裁金を課すこともできる。
欧州の規制当局は、過去にもアップルに対してこのような反復的な罰金を課している。オランダの競争当局とアップルは同社の「アップ・ストア」を巡り対立し、当局の命令に従わなかった期間分の1週間当たり500万ユーロ(8億1100万円)、計5000万ユーロの罰金が科された。
EU規制当局は、DMAに基づき、アプリ購入の際に代替プラットフォームへのリンクを妨げている疑いがあるとして、アップルを調査している。同社は昨年、音楽ストリーミングアプリで同様の不正行為があったとして、EU競争法に基づき18億ユーロの罰金を科された。
一方メタは、インスタグラムやフェイスブックでの広告モデルがDMAに違反しているとして、罰金を科される見通しだ。当局は、利用者に対し、支払いか広告表示化の二者択一を迫る「ペイ・オア・コンセント」の手法に問題があるとしている。
原題:Apple Risks Racking Up Repeated EU Fines; Meta to Face Penalties(抜粋)
WACOCA: People, Life, Style.