米通商代表部(USTR)のタイ代表は23日、訪問先のブラジルで中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に触れ、参加の是非を検討する際には参加することで生じるリスクを考慮すべきとの考えを示した。
同代表はサンパウロで開かれた「ブルームバーグ・ニューエコノミー・アットB20」で、「ブラジルの友人たちには今日の経済におけるリスクを客観的な視点、リスク管理の視点から見てほしい。ブラジル経済の強靭(きょうじん)さを高めるために、最善の道筋とは何かを真剣に考えてほしい」と語った。
ブラジルのファバロ農相は22日遅く、米国と欧州連合(EU)の保護主義的措置に対抗するため、中国の一帯一路構想に参加すべきだと発言していた。
タイ代表は最終決定はブラジル政府の判断に委ねられるが、主権は世界経済において米政府が維持しようとしている側面だと強調した。
タイUSTR代表が語る
Source: Bloomberg
中南米における経済的な影響力を巡り、米国は中国と競い合っている。ブラジルやチリ、ペルーなどにとって最大の貿易相手国である中国は、中南米の大豆や鉄鋼、銅など天然資源の購入を進めながら、現地インフラへの投資を拡大している。
中国の習近平国家主席は来月、米大統領選直後に中南米を訪問する予定。習主席はペルーのリマ近郊に建設される巨大な港湾の開港式に出席し、その後ブラジル入りし、20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するとともに、ルラ大統領との会談を含むブラジル公式訪問を行う。
ニューエコノミー・アットB20は、ブルームバーグ・ニュースの親会社ブルームバーグ・エル・ピーの1部門ブルームバーグ・メディア・グループが主催した。
原題:US Trade Head Urges Brazil to Consider China Belt and Road Risks (抜粋)
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