NZ中銀、政策金利0.5%引き下げ 追加緩和を示唆

ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は27日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を予想通り50ベーシスポイント(bp)引き下げ、4.25%とした。写真は2017年6月2日撮影(2024年 ロイター/Thomas White/Illustration)

[ウェリントン 27日 ロイター] – ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は27日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を予想通り50ベーシスポイント(bp)引き下げ、4.25%とした。

インフレ率が目標レンジの中間値2%近辺にあり、経済活動が低調に推移している状況を踏まえた。

中銀は10月も50bpの利下げを実施していた。

ロイター調査ではエコノミスト30人のうち27人が50bp利下げを予想していた。

会見した中銀のオア総裁は経済状況が予測通りに推移すれば、来年2月19日の次回会合で50bpの追加利下げを行うことが可能になるとの見方を示した。

国内のインフレ圧力が1─3%の中銀目標の中間値に向けて緩和し続けると確信していると語り、利下げ効果で経済成長率が来年加速すると見込んだ。

景気を過熱させず冷やしもしない中立金利は2.5─3.5%の範囲内との見解も示した。総裁は来年末までに中立金利に達するとの見通しを示した。

総裁は50bpを超える利下げについてはほとんど議論しなかったとも発言したが、来年の追加利下げの可能性を示唆。

「50bpの利下げでも依然としてやや景気抑制的だ。GDP(国内総生産)ギャップは大きく、かなりの余剰能力があり、50bpが適切だと感じた」と述べた。

NZドルと短期金利は、一部の市場関係者が75bpの利下げを予想していたため、中銀の決定直後に上昇したが、その後、総裁のハト派的なコメントを受けて上昇分をやや削った。 もっと見る

議事要旨によると、中銀は50bp利下げが「生産、雇用、金利、為替相場の不必要な不安定化を回避しつつ、低く安定したインフレを維持する責務に合致する」と判断した。

OCRの見通しについては来年第2・四半期に3.8%、第4・四半期に3.6%に低下すると見込み、8月時点の予想より大幅な利下げを示唆した。

中銀は声明で、国内物価と賃金設定行動はインフレ率が目標の中間値付近にとどまる見通しと整合的になりつつあるほか、輸入物価も下落し、インフレ率低下に寄与していると指摘した。

また、金利低下が投資や支出を促し、来年には経済成長が回復するとの見方を示した。雇用の伸びは来年半ばまで軟調が続く見込みとした。

アナリストからは声明がかなりハト派的だとの指摘が出た。ASBのチーフエコノミスト、ニック・タフリー氏は「中銀は今後の利下げペースに対する市場の期待を和らげる試みを一切せず、今後の動きに門戸を大きく開いたままにしている」と指摘。追加緩和ペースは今後の状況次第だとした。

「中銀の次回会合まで3カ月間あり、その間に四半期国内データの発表サイクルとトランプ氏の大統領就任がある」と語った。

オア総裁はトランプ次期米大統領が高関税を掲げていることについて、米国の関税が原因で目先に金利が引き上げられるシナリオを否定。同時に、関税が世界的に物価上昇圧力になるとの懸念を示した。

キウイバンクのチーフエコノミスト、ジャロッド・カー氏は来年2月については25bpの利下げを予想するが、その後さらに利下げ余地があると指摘した。

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