イタリアと日本は、政治・経済・文化の各分野で長年にわたり友好関係を築いてきました。近年はアニメや食といった日本文化への関心がいっそう高まっており、観光や交流の面でもイタリアとの距離は縮まりつつあります。

実際に、訪日イタリア人数も増加傾向で、今後注目すべきインバウンド市場のひとつとして期待されています。

この記事では、両国の関係性や文化的なつながり、旅行者の傾向などをわかりやすく解説します。

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イタリアの基本情報

まずイタリアの基本情報から見ていきましょう。イタリアから日本を訪れる場合の所要時間、イタリア市場のインバウンドデータについても掘り下げます。

基本情報



面積

30.2万平方キロメートル




人口

5,885万人(2023年、IMF)




主要都市

ローマ(首都)、ミラノ、ナポリ、トリノ、フィレンツェなど




言語

イタリア語(地域によりドイツ語・フランス語などの少数言語あり)




宗教

キリスト教(カトリック)約80%、その他にプロテスタント、ユダヤ教、イスラム教、仏教など



1人当たりGDP

3万9,580米ドル(2024年)



訪日外客数

22万9,700人(2024年)


イタリアは南ヨーロッパに位置する国で、地中海に突き出たブーツ型の地形が特徴です。面積は約30.2万平方キロメートルで、日本の約5分の4にあたります。人口は5,885万人(2023年時点)と、ヨーロッパでは中規模程度となっています。

首都はローマで、歴史的建造物や観光名所が多く集まる都市として、世界中から多くの観光客が訪れています。

公用語はイタリア語ですが、地域によってはドイツ語やフランス語なども使用されています。宗教はカトリックが主流で、国民の約80%が信仰しているとされます。

1人当たりGDPは3万9,580米ドル(2024年)で、安定した経済基盤を持つ国の一つとされています。


日本との距離 

日本=ローマは、成田空港と羽田空港から直行便が運航されており、所要時間はおよそ13〜14時間程度です。一方で、関西国際空港・中部国際空港(セントレア)からの直行便は現在運航されておらず、乗り継ぎ便の利用が一般的です。

ローマの現地時間は、日本時間より8時間遅れています。例えば日本が正午のとき、ローマは午前4時です。サマータイム*が適用される期間中は、時差が7時間に短縮されます。

*イタリアを含むEUでは、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までがサマータイム期間

インバウンドデータ

2024年の訪日イタリア人数は22万9,700人となり、コロナ前のピークだった2019年(15万2,300人)を大きく上回って過去最高となりました。

▲訪日イタリア人客数の推移(2014〜2024):日本政府観光局(JNTO)より訪日ラボ作成▲訪日イタリア人客数の推移(2014〜2024):日本政府観光局(JNTO)より訪日ラボ作成

訪日旅行消費額は817億円で、2019年比で152.4%増、2023年比では60.5%増となり、こちらも過去最高を記録しました。

▲訪日イタリア人消費額の推移(2015〜2024):観光庁 インバウンド消費動向調査より訪日ラボ作成▲訪日イタリア人消費額の推移(2015〜2024):観光庁 インバウンド消費動向調査より訪日ラボ作成

1人当たりの消費額は35万6,521円で、全市場平均(22万7,242円)を大きく上回っています。その中でも飲食費は8万4,210円で、全市場のうち最も高額となりました。

関連記事:2024年の訪日イタリア人数は23.0万人、消費額は817億円でともに過去最高【最新インバウンドデータを解説】

イタリアと日本の関係をわかりやすく解説

日本とイタリアは1866年の国交樹立以来、政治・経済・文化など多くの分野で関係を築いてきました。G7の構成国として、安全保障や先端分野での連携も進んでいます。

ここでは、日伊関係の重要なポイントをわかりやすく紹介します。

【政治】G7の構成国として友好な関係

日本とイタリアは、1866年の日伊修好通商条約締結以降、長年にわたり友好関係を築いてきました。両国はG7・G20の構成国として基本的な価値観を共有し、首脳や閣僚レベルでの交流も活発です。

2023年には日伊関係が「戦略的パートナー」に格上げされ、2024年には安全保障分野での協力を進める「日伊アクション・プラン」が発表されました。同年11月には、物品役務相互提供協定(日伊ACSA)の署名も実施され、防衛協力が強化されています。

【経済】貿易額に占めるシェアは低め

日本とイタリアの経済関係は安定して続いているものの、貿易全体に占めるシェアとしては、両国ともにそれほど高くはありません。日本にとってイタリアは欧州第2位の輸入先ではあるものの、アジアや北米と比べると割合は低めです。

それでも両国は、再生可能エネルギーやスマートシティ開発、医薬・バイオ分野など先端技術を中心に共通の関心を持ち、企業間の交流も活発です。

2023年の貿易額は、日本からイタリアが8,517億円、イタリアから日本が1兆6,865億円で、日本の輸入超過が続いています。輸出入ともに輸送機械や機械設備、化学薬品が中心ですが、イタリアからはワインやチーズ、皮革製品といった食料品やファッション関連の輸入も目立ちます。

イタリアで日本のさまざまな文化が浸透

イタリアでは日本の食・文化が浸透しており、寿司やラーメンなどに加え、日本酒やアニメ、伝統芸能も人気を集めています。

ここでは、イタリアで親しまれている日本文化について紹介します。

イタリアでは日本食が大人気

近年、イタリアでは寿司やラーメン、天ぷらなど多彩な日本食が親しまれるようになっています。農林水産省の2023年調査によると、イタリアには日本食レストランが2,460店あり、欧州ではフランスに次いで2番目に多くなっています。

1980年代後半に日本食がイタリアに進出し、ここ10年で一気に浸透したようです。大都市だけでなく地方都市にも寿司チェーンが展開されており、創作寿司を中心に日本食が身近な存在になっています。ミラノやローマではラーメン店の人気も高まっており、幅広い層が訪れています。

一方で訪日旅行中には「ヴィーガンやグルテンフリーの選択肢が少ない」「多言語メニューが不十分」「コーヒーの味が合わない」といった不満も見られます。今後、イタリア人をはじめとする欧米客を集客したい場合は、こうした声を踏まえた受け入れ体制の整備が求められるでしょう。

関連記事:飲食店のインバウンド対策9選!実施したほうがいい理由と食文化への対応も紹介

日本酒(SAKE)が少しずつ浸透

イタリアでは近年、日本酒(SAKE)への関心を高めるための取り組みが進められています。2023年以降、ナポリやフィレンツェなどで在イタリア日本国大使館主催の「SAKEキャラバン」が開催され、日本酒と地元食材とのペアリングを通じた普及活動が行われています。

2023年10月には、ローマで「La Sake Vita」という日本酒イベントも開かれ、蔵元や酒サムライ*らが日本酒の魅力を発信。イタリアの特産品と合わせた提案は参加者からも好評で、日本酒が特別な場面だけでなく、日常でも楽しめる存在として少しずつ浸透しています。

*日本酒造青年協議会によって、日本酒文化を世界に広める人に与えられる称号

関連記事:インバウンド消費含む日本酒の輸出市場は1,000億円規模へ

日本のカルチャーはイタリア人にとって身近な存在に

イタリアでは、日本の伝統文化やポップカルチャーに触れる機会が多く、文化的な関心が根づいています。

各地で開催される東洋フェスティバル(Festival dellʼOriente)や、欧州最大級のポップカルチャーイベント「ルッカ・コミックス&ゲームス」では、生け花や盆栽、侍、座禅などの伝統文化に加え、アニメやコスプレといった現代文化も紹介されています。

また、夏にローマで開催される映画祭「イゾラ・デル・チネマ」では、日本映画の上映や伝統芸能の披露、日本酒の紹介も行われており、多彩な形で日本文化が紹介されています。


イタリア人が日本に抱くイメージ

イタリアでは、日本は「異なる文化を持つ国」として関心を集めています。独自の魅力に惹かれる一方、距離や言語の壁から「遠くて訪れにくい国」と感じる人も多いようです。

ここでは、イタリア人が抱く日本の印象を紹介します。

イタリアにはない「異文化」が味わえる

イタリアでは、日本は「自国とはまったく異なる文化を持つ国」として認識されており、その特徴に魅力を感じる人も少なくありません。例えば最先端の都市・東京の中にある浅草寺や明治神宮など 、伝統と現代が共存する日本の風景に惹かれる人も多く、知的好奇心が刺激されるようです。

訪日旅行では、都市観光に加えて旅館での宿泊や座禅体験、神社仏閣の見学など、イタリアでは味わえない「非日常」を求める傾向が強く見られます。

ハードルが高く「訪れるのは難しい」と感じる人も

イタリアでは、日本は「旅行先として魅力的だが、遠くて行きづらい」というイメージを持たれがちです。

物理的・心理的に遠いイメージが強いほか、中国やタイ、インドネシアなどのアジア諸国と比べると費用がかかるという先入観があり、訪れにくいと感じられることもあります。

またイタリア人は日本人と同様、英語が得意な人がそれほど多くありません。そのため、日本旅行では言語の壁を心配する人が多くなっています。個人旅行を好む傾向が強いイタリア人にとって、ネット上での情報収集においても、言語がハードルになっているようです。

しかしながら、近年多言語対応や情報発信が進んだ結果、訪日イタリア人数は増加傾向にあり、2024年には約23万人が日本を訪れました。

観光地や宿泊施設、交通案内などの情報を英語だけでなくイタリア語でも提供することで、さらなる集客につながることが期待されます。


多方面で深まる日本とイタリアのつながり

イタリアと日本は、G7に名を連ねる先進国同士として、長年にわたり良好な関係を築いてきました。政治や経済面での交流に加え、食やカルチャーなどを通じた文化的なつながりも年々深まっています。

観光分野では、2024年の訪日イタリア人数と消費額は過去最高となりました。

距離や言語の壁といった課題はあるものの、適切な情報発信や受け入れ環境の整備により、さらなる拡大が期待されます。

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