サントリーホールディングス(HD)の鳥井信宏社長は3日、米国のトランプ政権が発表した追加関税への懸念を示した。日本産ウイスキーが米国で高騰する要因になりかねず、鳥井氏は選択肢として米国以外への輸出を増やす可能性も示唆した。

  「響」や「山崎」など国際的に高い評価を受けているサントリー製品を含めて、追加関税が日本産ウイスキーの米国でのさらなる値上げの引き金になりかねない。創業家出身の6代目社長として3月に就任した鳥井氏は、アジアなどでも需要はあるとして「売り先を変えるという手はある」と述べた。国内でも供給不足の声が挙がっているといい、日本を含めて米国以外の市場への配分を増やす可能性を示した。

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鳥井氏

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  一方で商機もある。仮に報復関税の応酬となればサントリーが現地生産するバーボンなどの競争力が高まり、米国市場をより強化できる可能性があるとした。欧州から輸入されるシャンパンやメキシコから入るテキーラの価格競争力がなくなれば、米国で製造する商品にとっては追い風となるという。

   トランプ米大統領は2日(日本時間3日)、貿易相手国の関税や非関税障壁を踏まえ関税を課す「相互関税」の詳細を発表し、日本に対しては24%の税率を設定するとした。米国は日本にとって最大の輸出相手国で、日本経済や産業界に大きな影響を与える恐れが出ている。

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