ピート・ヘグセス米国防長官

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2025年3月4日

ジェイムズ・フィッツジェラルド(BBCニュース)

アメリカのピート・ヘグセス国防長官がこのほど、米軍のサイバー司令部に対し、ロシアに対するサイバー攻撃作戦を一時停止するよう指示したと、複数の米メディアが2日に報じた。ウクライナでの戦争を終わらせるための外交が続く中、米政府はロシアに歩み寄る姿勢をみせている。

サイバー作戦が停止された理由は公表されていない。いつまで停止されるのかは不明。米国防総省はコメントを拒否している。

この首脳会談に先立ち、ヘグセス国防長官はサイバー作戦の停止を指示したと報じられている。

トランプ氏はホワイトハウスに復帰して以来、ロシアのウクライナ全面侵攻で始まった戦争を終わらせる取引の成立を強く望み、ロシア政府に対するアメリカの姿勢を著しく軟化させている。

サイバー政策めぐる新指針と当局者

米当局者はBBCがアメリカで提携するCBSニュースに対し、ヘグセス国防長官が、サイバー司令部に新たな指針を示す中で、ロシアに対するサイバー作戦の停止を指示したと語った。

この動きによって、ロシアによるハッキングや選挙への介入、ウクライナ侵攻をめぐりウクライナ側についた西側諸国を標的にした妨害工作といった疑惑をめぐり、サイバー分野でアメリカがどれほど強力に抵抗していくのか、疑問が生じている。

このニュースを最初に報じたサイバーセキュリティ専門誌「ザ・レコード」によると、ヘグセス氏の命令によって数百人から数千人の職員が影響を受ける可能性がある。ウクライナのデジタル防衛の強化を目的とした作戦にも影響が及ぶ可能性が高い。

国防総省高官は声明で、作戦上の懸念を理由にこの問題についてはコメントしないとしつつ、「サイバー領域を含むすべての作戦において、ヘグセス長官にとって戦士の安全以上に優先すべきことはほかにない」とした。

マイク・ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、政策の変更は議論されていないと主張したが、米CNNのインタビューで、「この戦争を終わらせるための、あらゆるアメとムチ」があると認めた。

先月にサウジアラビアで、ロシア側と協議したトランプ政権の高官らは最近、ロシア政府に対するアプローチの変更を擁護している。この協議にはウクライナは招かれなかった。

マルコ・ルビオ米国務長官は米ABCに対し、「(ロシアを)ののしり、敵対しているようでは、(ロシアを)交渉のテーブルにつかせることはできない。これは何年にもわたり取引をまとめてきた大統領の直観だ」と語った。

チャック・シューマー上院少数党院内総務(民主党)は、米紙ニューヨーク・タイムズ氏に充てた声明で、今回の動きは「戦略上の重大なミス」だと指摘。

トランプ氏は「ロシアがアメリカの重要なインフラに対してサイバー攻撃やランサムウェア攻撃を続ける中、プーチンにフリーパス」を与えているように見えると、シューマー氏は述べた。

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