モーガン・スーパースポーツ
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英モーガンの正規輸入販売を手がけるエスシーアイは2025年4月4日、新型スポーツカー「モーガン・スーパースポーツ」の販売を開始した。
今春発表の最新モデルが早くも日本へ
モーガンモーター・カンパニーは1909年創業の英国の自動車メーカーであり、クラシックなスタイルのスポーツカーを今日もハンドメイドで少量生産している。今回、日本に導入されるスーパースポーツは、同社の最新モデルにあたり、2025年3月11日にピッカースレイ・ロードの同社工場ならびにオランダのローマン博物館で発表されたばかりだった。
エクステリアデザインは一目でモーガンと分かる伝統的なスタイルを受け継ぎつつ、全体をよりシンプルにまとめることでミニマルかつタイムレスなイメージを追求。開発には数値流体力学(CFD)技術を取り入れており、新形状のアンダーボディーとも相まって、従来の直6モデルより空気抵抗を5%、揚力を20%低減しているという。また、ルーフには交換可能なカーボンコンポジット製ハードトップとモヘア製ソフトトップを用意しており、前者ではわずか19.7kgという軽量さと、大きな曲面ガラスのリアスクリーンによる優れた後方視界を実現。いっぽう、モヘア製のソフトトップは折りたたむだけでクルマをオープンにでき、下ろしたソフトトップを収納できるフードカバーも付属。全7色の豊富なカラーバリエーションも特徴とされている。
機能面でも改善がなされており、取り外し可能なサイドスクリーンには新開発のマウントシステムを採用。車体外側の固定具の必要性を減らすことで脱着を簡易にしており、室内のドアラッチを使ってロックを解除し、前方に押すとサイドスクリーンが持ち上がる構造とした。窓枠で構成されるアッパーセクションはアルミニウム製で、サテンシルバー仕上げ、サテングレー仕上げの2種類を用意。下部のファブリックは、ルーフカラーと合わせてコーディネートされる。
インテリアもモーガンの歴史的な意匠とモダンな操作系を融合したもので、一枚板の伝統的なインストゥルメントパネルに機械式の計器類とインフォメーションディスプレイを搭載。ダッシュボードのロワレール、センターコンソール、ドアカードの素材は、ウオールナットを含む11種類のウッドから選択可能で、いずれも熟練した職人によって手作業で成形されるという。
また、リモートキーで施錠/解錠できるラゲッジスペースが設けられた点もスーパースポーツの特徴で、乗員の荷物や取り外したサイドスクリーンの収納が可能に。内部の仕立ては上等で、インテリアと同じボックスウィーヴカーペットが敷かれるほか、後部はラッカー仕上げのアッシュ材で縁取られている。
新開発のアルミ製プラットフォームを採用
動力性能に関する箇所も既存のモデルから大きく進化しており、車両骨格には新開発のアルミニウム製プラットフォーム「CXV」を採用。従来の「CX」プラットフォームより10%高いねじり剛性を実現しているという(ハードトップを装着すると、さらに10%高まる)。また単体で102kgという軽量な設計もCXVの特徴で、車重わずか1170kgというモーガン・スーパースポーツの軽さにも寄与している。
操舵機構についても、シャフトの取り回しを見直すことでフィードバックを改善し、ステアリングスピードも13%向上。サスペンションは前後ともにダブルウイッシュボーン式で、新設計のジオメトリーと標準で装備されるアンチロールバーにより、快適な乗り心地、優れたボディーコントロール、ハンドリングの向上を実現しているという。加えてシャシー/ドライブトレイン関連では、オプションでLSD(リミテッドスリップディファレンシャル)や「ダイナミックハンドリングパック」も用意。後者はスーパースポーツ専用設定のバルブとスプリングレートを備えたナイトロン製フロント/リアダンパーのセットで、24段階の減衰力調整機能を有している。ホイールは2種類で、一本あたりの重さが10.8kgの18インチフローフォーミングアルミホイール「スーパーライト」を標準で装備するほか、オプションで9.7kgの19インチ鍛造アルミホイール「エアロライト」も設定。タイヤにはいずれも「ミシュラン・パイロットスポーツ5」が組み合わされる。
いっぽう、パワーユニットは従来のモデルと共通で、最高出力340PS、最大トルク500N・mを発生するBMW製3リッター直6ガソリンターボエンジン「B58」を搭載。ZF製の8段ATを介して後輪を駆動する。動力性能は、最高速が267km/h、0-100km/h加速が3.9秒と公称される。
今日の要望に応えるモダンな機能・装備も
機能関連の装備も充実しており、オーディオには高いダイナミックレンジとラウドネスレベルを特徴としたゼンハイザーのシステムを採用。オプションの「コネクティビティーパック」を選択すると、センターコンソールのトレイに携帯端末の非接触充電器が装備され、ダッシュボードとインジケーターストークのコントロールを使ってハンズフリー通話も可能になるという。またこのオプションには3つのマイクを使ったノイズの低減機能も備わっており、ルーフを開けた状態でも明瞭な状態で通話ができるとしている。
このほかにも、リアのオーバーライダーに取り付けるラゲッジラックもオプションで用意。アルミをレーザーカット加工で成形したもので、色はシルバーとブラックの2種類から選択できる。
モーガン・スーパースポーツの価格は2310万円。デリバリー時期は2025年秋ごろの開始を予定している。
(webCG)
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