千葉県の房総半島を走るいすみ鉄道は、去年10月の脱線事故から4日で半年となりますが、全線で運休が続いています。
運行会社は線路の調査や補修などを行っていて、いまも復旧の見通しは立っていないとしています。
千葉県いすみ市と大多喜町を結ぶいすみ鉄道は、去年10月4日に学生など100人あまりが乗った列車が脱線する事故があり、現在も全線で運休が続いています。
事故から半年となった4日も現場近くには車両が残されたままで、いすみ鉄道によりますと、レールの下に敷かれた枕木の劣化が一因とみられ、JRの支援も受けながら調査や補修などを進めているということです。
復旧の見通しについては、去年の年末時点では、春ごろをめどに一部区間で運転再開を目指す方針を明らかにしていたものの、現段階ではめどを立てることは難しいとしています。
その上で、利用者の多いいすみ市の大原駅と大多喜駅の間を優先して復旧を目指すとしていて、復旧までは引き続き、代行バスの運行を続けるということです。
沿線にある県立大多喜高校で部活動のため代行バスを利用した2年生の女子生徒は、「JRとの乗り継ぎがあり、鉄道の方が通学にかかる時間が短くてすむので早く復旧してほしいです」と話していました。
【千葉県熊谷知事 “安全確保に万全を期すため 少し時間がかかっていると受け止めている”】
いすみ鉄道は県と沿線の市や町などが出資している第三セクターで、利用者が多い区間の復旧にあたって当面必要な費用は3億円とされ、県などの予算からの支出や積み立ててきた基金を取り崩すことで賄われる予定です。
復旧の見通しが立っていないことについて、千葉県の熊谷知事は3日の記者会見で、「安全確保に万全を期すため、専門機関に委託して調査や工事計画の検討を進めていることで、少し時間がかかっていると受け止めている」と述べました。
また、「場合によって、現在手当てしている以上に費用がかかることも考えられる。一日も早い復旧を望む沿線住民の気持ちは強いと認識しているが、安全の確保が何よりも重要というのがわれわれの立場だ」という考えを示しました。
【いすみ鉄道“復旧時期などに関してなるべく早く発表できるよう 検討や調整を鋭意進めています”】
いすみ鉄道は、脱線事故から半年が経過したことを受けてコメントを発表し、「復旧までに時間を要しており、ご迷惑をおかけしていることに深くおわび申し上げます。現在、関係者の協力をいただきながら修繕工事や全線の安全点検を行うなど、復旧に向けて取り組んでいます。復旧時期などに関してなるべく早く発表できるよう、検討や調整を鋭意進めています」としています。
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