Getty Imagesメキシコの首都メキシコシティでは、6月26日までに飲料水が枯渇する可能性がある。地元の人々はその日を「デイ・ゼロ」と呼んでいる。3年に及ぶ少雨と高温がメキシコシティの”水の危機”を悪化させている。何百万もの人々に水を供給しているクツァマラの水道システムは現在、容量28%で稼働している。
メキシコの首都メキシコシティは、6月末までに飲料水が枯渇する可能性があると専門家は話していて、地元の人々はその日を「デイ・ゼロ」と呼んでいる。
メキシコシティは何百万人もの住民に水を供給するのに長年苦労してきたが、3年連続の少雨と高温が深刻な緊急事態を引き起こしている。
クツァマラの水道システム —— 数千万人に水を供給するための処理施設や貯水池、運河など —— が枯渇しているのだ。
状況は非常に厳しく、North American Drought Monitorは4月30日にメキシコシティを含む連邦区について「深刻」と分類した。Mexico Business Newsによると、地元の人々は「デイ・ゼロ」が早ければ6月26日にもやってくると予想している。
現地の政治家たちはこの”水の危機”を何カ月も軽視していたが、CNNによれば、複数の地域ですでに水がなくなっているという。
メキシコ政府はクツァマラの水道システムについて、メキシコシティ都市圏とトルーカ都市圏に住む「数百万人のメキシコ人の生活に不可欠」と説明している。
クツァマラの水道システムは通常、毎秒約15立方メートルの水を動かし、約2200万人にサービスを提供している。現在は容量28%で稼働しているとワシントン・ポストは報じている。
ボロボロのインフラも問題の一因となっている。メキシコシティの水の約40%は、水道管の水漏れやその他の問題によって失われているとワシントン・ポストは伝えている。
メキシコシティのコヨアカン地区選出の連邦下院議員ガブリエル・クアドリ・デ・ラ・トーレ(Gabriel Quadri de la Torre)氏は、水道管の修理には何十億ドルもの費用がかかり、市がその費用を捻出できるとは「とても思えない」と同紙に語った。
6月26日が迫る中、街はのどから手が出るほど雨を必要としている。しかし、雨は「誤った安心感」を引き起こすかもしれないと、メキシコシティにあるCentro de Investigación y Docencia Económicasのクリスティーナ・ボイス(Christina Boyes)教授はワシントン・ポストに語った。
Mexico Business Newsによると、メキシコ国立自治大学の研究者たちは、集中的な雨水収集や農業における処理水の再利用、帯水層涵養がクツァマラの水道システムを救うかもしれないと報告している。
研究では、この地域でかんがい用水を使用している農場は全体の75%に過ぎず、大半の農場は水の再利用が可能であってもしていないことが分かった。ただ、この計画には推定50億ドル(約7840億円)の費用がかかるという。
メキシコの国家水委員会(CONAGUA)は2月、クツァマラ水系を改善し、失われつつある水の一部を補うプロジェクトに取り組んでいると発表した。その一環として、メキシコシティの水道局はインフラの信頼性を向上させ、水道網への民間企業の参加を促すプログラムを強化し、学校で雨水を集める計画を導入したという。
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