4月9日、中国人民元はオフショア市場で、前日の海外市場で記録した過去最安値付近で推移している。写真は北京で2022年2月撮影(2025 ロイター/Florence Lo)
[シンガポール/香港 9日 ロイター] – 上海外為市場で人民元は一時対ドルで19カ月ぶり安値を付けた。米中貿易戦争激化が懸念される中、オフショア人民元はオーバーナイトで最安値を付けている。
オンショア元は午前の取引で2023年9月以来の安値となる1ドル=7.3505元に下落した。午後は0.2%安の7.3498元で取引されている。
オフショア元はアジア時間の取引で0.62%高の1ドル=7.3812元。前日は1%以上下落し、過去最安値となる7.4288元を付けた。
米政府は8日、中国からの輸入品に対する104%の関税が午前0時過ぎに発効すると発表した。
コモンウェルス銀行の為替ストラテジスト、キャロル・コング氏は、「前日の海外市場でのドル/人民元の動きはかなり大きかった。トランプ米大統領が中国への追加関税を進めていることが背景にある」と分析した。
同氏はオフショア人民元が第3・四半期末までに1ドル=7.7元まで下落すると予想していると述べた上で、「米中がさらに高い関税を互いに課すことになれば」、この水準に達するのが早まる可能性があるとの見方を示した。
中国人民銀行(中央銀行)は9日、元の基準値を23年9月11日以来の元安水準となる1ドル=7.2066元に設定した。アナリストは関税が輸出に及ぼす影響を和らげることが狙いだと指摘している。
ただ、基準値はロイターの推定値を1282ポイント上回っており、人民銀行が急激な元安を望んでいないことを示唆している。
関係筋によると、中国の国有銀行は9日午前、人民元の下落ペースを和らげるため、オンショアのスポット市場でドルを売っている。
オンショア人民元とオフショア人民元は、米関税の影響に対する懸念を背景に今月、対ドルで1%以上下落している。
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