この夏休み、みんなでカブトムシを観察してみませんか?
ひょっとしたら、世界的な新発見につながるかもしれませんよ。

サタデーステーションで以前取材した、小学校6年生のカブトムシ研究者、柴田亮くん。
この夏休み、こんなメッセージをくれました。

「皆さんも昼間活動するカブトムシを見つけたらぜひ写真を撮って投稿して下さい。僕もとても楽しみにしています。」

実は彼、夏休みの自由研究で、“ある特徴”をもつ「カブトムシ」を観察して世界的な「新発見」をしたんです!

亮君の研究は、なんとアメリカの権威ある生態学の雑誌に掲載されました。
いったい彼はどんな“新発見”をしたのでしょうか?
「何故か昼間も多くのカブトムシが集まっているので、それがすごく不思議で調べてみた」
本来「夜行性」であるはずのカブトムシが、なぜ「シマトネリコ」の木には昼夜を問わず集まるのか?

亮君は、ある本にこんなヒントをみつけました。
柴田亮君(小6)
「『なぜかわからないが、シマトネリコには多くのカブトムシが集まっている』って書いてあって」

その本の著者で、カブトムシの研究者である小島先生に亮君は自由研究の結果を送りました。
それを見た山口大学の小島渉先生は・・・
「科学的に誰も今まで調べことがなくて論文にする価値がある。面白いので継続して取り続けた方がいいんじゃないかということを言った」
といいます。

小島先生からアドバイスを受けた亮君は、35日間、早朝から夜まで、多いときには1日13回も観察し、オスのカブトムシ100体、メスのカブトムシ62体、
計162個体の記録をとりました。
柴田亮君(小6)
「終わった後見たらこんなにいたんだって、こんな多くのカブトムシに印をつけたんだってびっくりしましたね。生活の中に研究が溶け込んでいる感じで
すごい毎回楽しみでした」 
亮君の観察記録は、「夜行性」のカブトムシが植物によっては、日中も活動するということを証明していました。
小島先生がそれを論文にまとめ、生態学の権威ある雑誌「Ecology」へ投稿すると、異例の速さで採用され、亮君の「新発見」は、世界に認められたのです。

柴田亮君に見つけ方のコツをききました。
「日中活動するカブトムシをみつけるには、木についた削りあとをさがすといいと思います。カブトムシがこの木に来た証拠だからです。日中活動するカブトムシは、太い木の幹や太い木の枝にいることが多いです。カブトムシは交尾をしたり、木を削って樹液をすったりしています」

亮君と共同研究をした、山口大学の小島渉先生からもこんなアドバイスが・・・
「カブトムシは2つのエサの採り方があります。1つは木にできたキズから染み出た樹液をなめる、そういう方法です。これはクヌギなどで見られます。もう一つはカブトムシ自身が積極的に木の皮を削るという方法です。これはシマトネリコでみられます。カブトムシによってつけられた傷が木の皮についているのがわかります。シマトネリコ以外の木でも木を削って、エサをたべることが最近わかってきました。ライラック、ヤナギ、サイカチなどです。(これらの木では)昼間に一生懸命木を削っている可能性があります」

柴田亮君(小6)
「皆さんも昼間活動するカブトムシを見つけたら、写真を撮って投稿して下さい。僕もとても楽しみにしています。それでは!」

サタデーステーションでは今、亮君や小島先生が研究している「日中も活動するカブトムシ」の写真や動画を募集しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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