東京・杉並区の勤務先で療養中に死亡した40代の男性について、保健所が男性と連絡が取れないことを理由に対応を打ち切っていたことが分かりました。息子の命は救えなかったのか、男性の父親が思いを語りました。

 新型コロナで亡くなった男性の父親:「(行政は)何もやらないんだから、もっと早く診てやってくれていれば」

 本当に救えない命だったのでしょうか。亡くなった男性は、まだ40代。ワクチン接種を待っていた状態でした。

 男性は都内で両親と同居していたため、陽性判定を受けた後は自宅を避けて杉並区にある勤務先のビルで療養していました。

 新型コロナで亡くなった男性の父親:「(毎日のように)電話が掛かってきたのが電話が掛かってこなくなって、うちの妻が行ったら死んでいた」

 家族によりますと、PCR検査を受けた東京・港区のクリニックから先月30日に陽性判定を受けた男性。家族は男性と今月4日まで毎日、電話やLINEで連絡を取っていました。

 しかし、5日になって体調が悪化。LINEの返事がひらがな1文字だけになるなどの異変が見られました。その数日後、家族が訪ねてみると死亡していました。

 新型コロナで亡くなった男性の父親:「(Q.入れなかったのは?)病院。保健所は全然連絡がつかないって、いくら電話を掛けてもね。それでどうしようもないって」

 男性は病院に入院できず、保健所にも連絡がつかないと話していたといいます。しかし、保健所に取材をすると話は大きく食い違います。

 男性の感染者情報は東京・港区の保健所から自宅のある区に、さらに療養している杉並区の保健所に今月1日に送られました。しかし、杉並区の保健所によりますと、1日以降、男性に複数回、電話をしたがつながらず、職場を訪問しても会えなかったため対応を終了したというのです。

 また、保健所は男性への対応を打ち切る前に両親や警察に連絡をしていませんでした。

 複数の都の関係者:「連絡をせずに対応を打ち切ることはありえない」

 複数の都の関係者は今回の保健所の対応をこう批判しています。

 杉並区の田中区長は、ご遺族に申し訳ないと謝罪したうえで保健所の体制を拡充するとしました。

 一方、男性の父親は周囲に息子がコロナで亡くなったことは伏せていると話します。

 新型コロナで亡くなった男性の父親:「兄弟にも言ってないし親戚誰も言っていない。迷惑が掛かる可能性があるから。死んだのは別のもの(理由)にしとけばいいから。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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