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「食糧危機の責任はロシアだけにある」。6日、国連安全保障理事会では、EUのミシェル大統領が食糧危機に言及し、ロシアのネベンジャ大使を前に、こう批判しました。
「大使、直視してください。私は数週間前オデーサで目撃した。何百万トンもの穀物・小麦が、 ロシアの黒海艦隊のせいで、船のコンテナに積まれたままだった」。
この発言の途中でネベンジャ大使は退席。するとミシェル大統領は、こう呼びかけました。 「大使、退席してもいいですよ、真実を聞くより、楽でしょう」。

ウクライナの南に広がる黒海では、ロシア軍の艦隊が展開しています。このためウクライナからの穀物の輸出が妨害されている状況です。今、この黒海をめぐる攻防に、世界の目が注がれています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、首都キーウで記者会見し、軍事侵攻を続けるロシアによってウクライナ南部の港が封鎖されたことで、2200万トンから2500万トンの穀物が輸出できない状態にあると述べ、ロシアを非難しました。そして、今後も港の封鎖が続いた場合、ことし秋までに合わせて7500万トンに上る穀物が輸出できなくなるおそれがあるとして、強い懸念を示しました。

一方、ロシアのプーチン大統領は3日に放送された国営のロシアテレビのインタビューの中で 「世界の食糧市場で起きている問題についてロシアに責任を負わせようとしている」と批判しました。そのうえで 「ロシアは無条件で安全な航路を確保し、船の安全な入港を保証する。ウクライナから穀物を輸送する問題など存在しない」と述べ、ウクライナ南部の黒海に面する港から穀物の輸出を妨げる意図などはないと主張しました。

黒海で何が起きているのか、海の安全保障に詳しい、海上自衛隊の元海将の香田洋二さんは、 「黒海をコントロールするという意味ではロシアが完全に握っている。実態としては輸出が完全に止まっているというのが現状と見ていいと思います」と指摘します。
そのうえで、食糧危機を回避するには、 「穀物を輸送する船についてはどの国も攻撃しないというしっかりとした約束、枠組みができないと、危なくて通れない。戦争の当事者であるロシアそれと黒海に通じる海峡をコントロールしているトルコこの2カ国が中心となって黒海の安全航行体制をつくるということは喫緊の問題だというふうに考えます」と話します。

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