米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループ、ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、米連邦公開市場委員会(FOMC)による追加利下げの予想を後退させた。昨年12月の米雇用統計が予想より強い内容となったことを受けて予想を修正した。
BofAは2025年の利下げをもはや見込んでおらず、次の動きは利上げになるリスクがあると分析。従来は年内に0.25ポイントの利下げが2回あると予想していた。シティは、5回の0.25ポイント利下げをなお見込んでいるが、開始時期の予想を従来の1月から5月に変更。ゴールドマンは、年内の利下げ予想を2回とし、従来の3回から減らした。
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アディティア・バーベ氏らBofAのエコノミストはリポートで、「12月の雇用統計が非常に強かったことから、利下げサイクルは終了したとわれわれは考えている」と指摘。個人消費支出(PCE)コア価格指数の前年同月比の伸びが3%を超え、インフレ期待が高まった場合、「話題は利上げに移るだろう」と記した。
アンドルー・ホレンホースト、ベロニカ・クラーク両氏らシティのエコノミストは、リポートで、「FOMCが今年利下げしない、または利上げを検討するというシナリオについては特に懸念していない」と説明。雇用は「われわれが予想していた以上に持ちこたえている一方、物価と賃金のインフレは共に沈静化しつつあり、経済が力強さを維持する中でも当局者らは利下げに違和感を抱かないだろう」と記した。
ヤン・ハッチウス氏率いるゴールドマンのエコノミストらは、今年6月と12月、そして26年6月の利下げを予想。従来は今年3月と6月、そして9月の利下げを見込んでいた。ターミナルレート(金利の最終到達点)は3.5-3.75%をなお予想している。
原題:Wall Street Economists Lose Faith in Fed Rate Cuts on Jobs Data(抜粋)
(シティとゴールドマンの予想を追加し、更新します)
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