気象観測用とは表向きの理由、実態は航空機、艦船、潜水艦の情報収集用

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自由で開かれたインド太平洋作戦に参加中の空母「エイブラハム・リンカーン」に着艦するF/A-18Fホーネット戦闘機(米海軍のサイトより)

1.日本EEZ内設置の中国ブイの危険性

 産経新聞(2024年12月25日)によると、海上保安庁関係者への取材で、沖縄県・波照間島の南西約140キロの日本の排他的経済水域(EEZ)の内側約14キロに、中国の海洋気象ブイが設置されていた。

 そのブイは黄色で、気象観測機器のようなものがあった。ブイには「中国気象局」「福建海洋気象浮標」と中国語が記載されていた。

 2024年12月27日と2025年2月12日、岩屋毅外務大臣は会見で、ブイについて、次の内容を発表した。

2024年12月27日:

「海上保安庁において気象観測機器とみられるものを確認している。(中国の)王毅外交部長との会談で、与那国島南東の我が国の排他的経済水域内において、新たに確認されたブイを含め、即時撤去を求めた」

「また、中国側にしかるべき説明を求めるとともに、現場海域での情報収集をはじめ様々な角度から、今、調査分析を行っている」

「今回、新たにブイが発見され確認されたことは、極めて遺憾に思っている。引き続き我が国EEZ内に設置されているブイの即時撤去をあらゆるレベルで、中国側に対して求めていく」

2025年2月12日:

「ブイの設置は、国連海洋法条約との関係で問題になるものである」

「そのようなブイの設置に対して、関係国がどこまで物理的に措置を取ることができるか、国際法上許容されるかについて、海洋法条約に明確に定められていない」

「事例の蓄積もない。対応の基準が不明確なのでどうするか、総合的な判断が求められる」

 このような日本政府の情報発信と対応や、写真を公表していないこと、また、「極めて遺憾」の発言だけなのは、何もしない、何もできない言い訳づくりをしているようにみえる。

 また、「ブイがただのブイではないにもかかわらず、ただのブイであり日本の安全に影響がないようなものとして情報を発信している」ようにも感じ取れる。

 以下、中国ブイについて、次の順序で述べる。

①日本EEZ内設置の中国のブイについて、日本政府は十分に調査したのか。

②ブイステーションと呼ばれるブイは、本当に気象観測用のためだけの機器なのか。

③ブイ開発にかかわる研究機関誌には、どのような機能があると説明されているのか。

④中国の研究機関誌にある「軍事支援の重要な役割」とは何なのか。

⑤北極海にあった同型のブイについてのカナダの評価と処置。

⑥ブイをなぜ石垣島などの南西海域に設置したか、作戦戦術的理由。

⑦日本は、それでも、日本EEZ内の情報収集機器を放置するのか。

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