暗闇に無数の炎が舞う恒例行事「湯村の火祭り」が8月24日夜、兵庫県新温泉町湯の湯村温泉街であった。約150本のトーチ(たいまつ)が、街を流れる春来川の水面をほのかに照らし過ぎゆく夏を彩った。
 五穀豊穣や無病息災を願い、天保年間(1830~44)に始まったとされる。第2次大戦後に一時中断したが、1971(昭和46)年に復活。1980年には町無形文化財に指定された。
 この日は、近くの正福寺で護摩祈とうを実施。元火を移したトーチを、地元住民や観光客たちが回して孤を描いた。
 「ジーロンボ、ターロンボ、ムーギノナカノクーロンボ」…。高慢な天狗「次郎坊、太郎坊」と「黒穂病」を追い払うはやし言葉が、温泉街に響き渡った。

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