木津川市 蟹満寺(かにまんじ)
DJI pocket2、LUMIX
音楽:The Trapezist – Quincas Moreira(ジャンル:クラシック)
「蟹満寺縁起」
むかし、この辺りに善良で慈悲深い娘とその両親が住んでいました。ある日、娘は蟹をたくさん捕まえて食べようとしている村人に出くわし、彼らから蟹を買い求め、草むらへ逃がしてあげました。後日、父親が田んぼを耕していると、今度は蛇に飲み込まれそうな蛙に遭遇。哀れんだ父親は娘を嫁がせることと引き換えに、蛇から蛙を救いますが、すぐに大後悔。話を聞かされた娘は、父親をなぐさめ、観音様に救いを求めました。日没が近づいた頃、ヘビは正装に身を包んだ紳士に化けて、娘を迎えに来ました。その時は嫁入りの支度を理由に断ったものの、後日、再訪したヘビ紳士。雨戸を閉ざし迎え入れない親子に腹を立て、大蛇の姿になって荒れ狂いました。恐怖におののきながら、一心に観音教を唱える親子。すると、観音様が現れて「恐れなくても大丈夫。娘は慈悲の心深く、善良な行いをされています。私を信じて念じる力は、この危機を救うでしょう」と告げ、姿を消されました。するとどうしたことか、間もなく蛇が暴れる音が消え、外が静かになりました。夜が明けて戸を開けると、そこには、バラバラに挟み切られた蛇と無数の蟹の亡きがらが残されていたのでした。親子は観音様に深く感謝し、娘の身代わりとなった蟹と哀れな蛇を弔うため、お堂を建てて観音様を祀りました。その由来から、お堂は蟹満寺と名付けられました。