幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く、重松清による不朽の名作小説「とんび」を、阿部寛×北村匠海の共演で映画化。2022年4月8日に公開される。本編より、息子・北村匠海が大学進学のために上京し旅立つ朝、父・阿部寛との別れの瞬間を収めた本編映像が解禁となった。
 
 幼い頃に母を亡くし、父・ヤス(阿部寛)に不器用ながらも男手一つで懸命に育てられ、大きな愛情を受けたアキラ(北村匠海)。時に父とぶつかり合いながらも立派に成長したアキラは、みごと東京の大学へ合格。

 上京の日の朝、ヤスの幼なじみでアキラのもう一人の父親のような存在でもある照雲(安田顕)が、アキラを車で送るために迎えに来るも、父のヤスはトイレに籠って出てこない。アキラはドア越しに、「親父、行ってくるけぇ。元気で頑張るけぇ、親父も…お父さんも、ほんまに、元気で」と、父への別れの言葉を伝えるも、一向に出てこない父。

 玄関を出ようとしたその時、突然トイレから出てきた父だったが、「…ええか。お前は好きで東京行くんじゃ。つまらん泣き言言うてくるなよ。野垂死んでもええ。お父さんが東京行くときは、お前の骨を拾いに行く時じゃ、そう思うてハラ括ってこい。わしの方から電話することも、もうありゃせんわい!」と、思ってもいない強い言葉をアキラに浴びせてしまう。アキラは、「…いいよ。僕もそのつもりだよ」と、飛び出して出ていってしまった。

 家に一人残されたヤスが居間に戻ると、そこには「お父さんへ」と書かれた一通の手紙が。アキラが父に送った手紙には「お父さんへ。行ってきます。一人暮らしは不便でしょうが、風邪など引かないように頑張ってください。タンスに衣替えの服を入れ替えておきました。」と、父の一人暮らしを案じた息子からの言葉が連なっていた。アキラは父が気づかない内に、立派な大人になっていたのだ。

 手紙を読み、慌てて外に飛び出すと、対岸の橋にアキラを乗せた照雲の車が走っている。車を追いかけるヤスに気づいた照雲がアキラに「止めようか」と聞くが、アキラは「ううん…行ってください」と伝える。必死に走り続けるも、どんどんと距離が離れていく車に向かって、ヤスは「アキラ!頑張って来いよ!」と大声で手を振り、心の底からの想いを叫んだ。

 4月4日。今日から新しい生活を迎える人も多いだろう。あなたの旅立ちの瞬間はどのようなものだっただろう。是非、アキラのように、今までの人生を支えてくれた人たちに言葉を送ってみてはいかがだろうか。どんな形でも、家族は新しい人生を応援してくれているはずだ。今、この時代にこそ届けたい、未来へつながる家族の絆の物語、映画『とんび』にご期待ください。

阿部 寛
北村匠海 杏 安田顕 大島優子
濱田 岳 宇梶剛士 尾美としのり 吉岡睦雄 宇野祥平 木竜麻生
田中哲司 豊原功補 嶋田久作 村上淳
麿赤兒 麻生久美子 / 薬師丸ひろ子

原作:重松清「とんび」(角川文庫刊)
監督:瀬々敬久
脚本:港岳彦
配給:KADOKAWA イオンエンターテイメント
(C)2022『とんび』 製作委員会

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