政府の「Go To イート」キャンペーンを利用して、ポイントを荒稼ぎする手法が「トリキの錬金術師」と呼ばれて問題になっている。 この事業では、「ぐるなび」など13のグルメサイトで予約して食事すると、昼食で500円分、夕食で1000円分のポイントが後日、手に入る。そこで、リーズナブルな価格設定で知られる焼き鳥居酒屋チェーン「鳥貴族」に、席だけをオンライン予約して夕食時に来店。1品(税込327円)だけ食べて帰ることで、1000円分のポイントを貯める方法がSNSで拡散した。  差額で673円分のポイントが儲かる計算となる。SNS上では、人気アニメ『鋼の錬金術師』に倣って「トリキの錬金術師」と呼ばれるようになった。   これを受けて鳥貴族は10月7日に「オンライン予約に関するお知らせ」を発表。「Go To イート」のオンライン予約から「席だけ」を対象から外し、コース料理のみとなった。これによって事実上「トリキの錬金術師」は不可能になった状態だ。ただし、別の飲食店でも「席だけ予約」などをすれば、同様の行為は可能だ。 朝日新聞デジタルによると、農水省の担当者は同日の野党合同ヒアリングで「わざわざ予約して1品だけ(食べて)出て行くのは、なかなかないと思っていた」と釈明した。西村康稔・経済再生相も会見で「初めて取り組む支援策で、制度設計が100%でなかったかも知れない」と指摘して、近く農水省が対応策を示すことになったと明らかにした。   元ネタとなったアニメ『鋼の錬金術師』の作中に出てくる「錬金術」では、「何かを得るには同等の代価が必要」とされており、等価交換が基本原則となっている。 そのため同作品で主人公エドワードを演じた声優の朴璐美(ぱく・ろみ)さんは、公式Twitterで作中のエドの台詞をモチーフにして「等価交換の法則、無視しやがって」などと苦言を呈した。       これらの投稿に対してファンからは「すべては等価交換です。私たちは読者はハガレンで学びました。」や「音声が脳内で再生されました」「格の違いってやつを見せてください」という声が挙がっている。

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